行動科学研究所とはどんな所なの?何を研究してるの?

コラム

行動科学研究所とはどんな所なの?何を研究してるの?

行動科学からエンパワーメントの研究所へ 行動科学研究所ではこんなことを研究しています

By 岩田洋治

行動科学研究所とはどんな所なの?何を研究してるの?

 

なぜ私たちは行動する(行動しない)のだろうか?

 

 

行動科学研究所は米国コロラド大学の【行動科学研究所をオリジナルモデルとして作られた研究所です。行動科学とは、簡単に言うと、行動を通して人を理解しようとする学問です。例えば次のような問いに答えようとする試みと言ってもいいでしょう。

 

  • Why do we do the things we do?
    なぜ私たちは、自分たちがしていることを、するのだろうか?
  • And how can we do them better?
    そして、どうすればそれらをより良く、することができるのだろうか?

 

参考サイト:University of Colorado Boulder 
参考サイト:行動科学研究所とは?

 

商売をしたり、考えたり、人間関係を改善したり、色々と私たちは工夫をします。その中にもし法則のようなものがあるならば、それを守っていけば、例えばある状態からさらに良い状態へもっていけるんじゃないか。すなわち、ある行動を、より望ましい行動にするにはどうすればいいのかを問い、そのことを通して人間理解を深めることが行動科学なのです

 

なぜ私たちは、自分たちがしていることを、するのだろうか?

 

 

例えば明日から早起きをしようと決めたとします。さて次の日は早起きをするでしょうか。できる人も、できない人もいるでしょう。一体その違いはどこにあるのでしょうか?また、1ヶ月後はどうなっているでしょうか。すっかり元に戻っている人もいれば、早起きが習慣になっている人もいるでしょう。一体その違いはどこにあるのでしょうか?

 

それはやる気と本気の違いだよと言う人もいるでしょう。あるいは意志の強さ(あるいは弱さ)だと言う人もいれば、グリット力、はたまた性格、いや血液型だと言う人もいるでしょう。色々な説明がありますが、一つ共通していることがあります。いずれの説明にせよ、自分が変わらないのはしょうがないと、むしろ自分を納得させるためによく使われているということです。

 

それぞれの考え方は尊重するとして、けれども本当のところはどうなんでしょうか。全ての行動を説明できるような法則はないかもしれません。しかし、より普遍的な答えはないのでしょうか。それを知ることで、多くの人が、自分の行動が変わったと実感できる、さらには自分自身が変わったと思えるようなものは。

 

その答えを見つけ出すには、これまで向き合ってこなかった自分の内面を見つめていく必要があります。知識や説明には、私たちの意識を変容させる力はありません。一人ひとりが自らの内面と向き合い、これまで無意識であったことが意識化されるときに、私たちの意識が変わり、行動が変わり、結果が変わるのです。

 

答えは、私たち自身の中にあります。これまで、自分なんてそんなもんだよと、それ以上考えなかったような問いに、あきらめることなく取り組むならば、そして、よくわからないからと、見つめることのなかった自分の内面をもっと意識していくならば、きっと思いもしなった新しい発見をするでしょう。

 

【参考コラム】元型

 

 

そして、どうすればそれらをより良く、することができるのだろうか?

 

 

行動を変えようと思うと、行動だけを変えようとするのではなく、私たちの意識が変わる必要があります。そのためには、私たち一人ひとりが一体自分の中では何が起こっているのかに、もっと意識的になる必要があります。

 

自分のことは自分が一番よく分かっている。そう思っているかもしれませんが、それはほんの表層の自分に過ぎません。深層では一体何が起こっているのか、自分のことを知らないということさえ知らない、そんな無意識の領域が私たちの内面に広がっているのです。

 

行動科学研究所の研究テーマは、次第に人間の無意識の研究へと導かれていきました。しかも、無意識とは何かを説明することを目指すのではなく、私たち一人ひとりがどのように自分の無意識と向かい合っていけばいいのかを問い、一人ひとりの意識変容をサポートすることを行動科学研究所は目指すようになっていったのです。

 

一人ひとりが自分の無意識と向き合う上で鍵となる言葉が【エンパワーメント】です。エンパワーメントとは一人ひとりの無意識が意識化されていくことであり、それを通してこれまで眠っていた力が呼び覚まされることを言います。

 

私たちの行動が変わるには、力が必要です。行動が変わらないのは、その力がまだ私たちの中で眠っているからなのです。だからと言って、エンパワーメントは行動を変えるための手段ではありません。エンパワーメントそのものに意味があるのです。

 

私たちの人生にとって真に大切なことは、一人ひとりの意識が変容し、自分と周りの人をエンパワーすることだからです。私たちはそのように考えています。

 

 

そもそもエンパワーメントとは?


 

 

エンパワーメントとは、私たちの中に「眠っている力を呼び覚ます」こと。これは誰にとっても大切なことです。なぜなら私たちが幸せで豊かな人生を送るには、力が必要からです。

 

ただ、このように言うと、少し抵抗を感じる方も少なからずおられるでしょう。それは、私たちが「力」という言葉を様々に捉えているからです。あなたにとって力とは何を意味しますか。また、あなたと力の関係はどのようなものですか。あなたは自分に力を感じているでしょうか。それとも感じていないでしょうか。

 

力の本質とは何か。これは行動科学研究所の研究テーマの一つです。私たちは力を次のように考えています。

 

  1. 全ての人が力を持っている、ただそれが顕在化されていない
  2. 力とは、自分と周りをエンパワーする力のことである
  3. 自分の力を生きようと思えば、他者との共創が必要となる

 

それぞれを、簡単に説明しましょう。

 

全ての人が力を持っている、ただそれが顕在化されていない

 

 

私たちは誰もが力を持っています。力とは生きる力であったり、何かを生み出すクリエイティブな力であったり、人とつながる力であったりします。ただ、力は持っているものの、それはまだほんの一部しか使われておらず、多くが私たちの中に眠ったままになっているのです。

 

人生に起こるざまざまな出来事。その中には力を必要とすることが多くあります。その時に、自分の中に眠る力を呼び覚ますことができるかどうかが、その後の人生の質を決めるのです。 その時、誰かや何かを責めていたり、言い訳ばかりしていたり、一歩を踏み出せなかったりしていると、私たちは自分の中の力に出会うことができないのです。

 

もし意識的に生きるのであれば、毎日が自分の力をどう生きるかという選択で満ちていることに気づくでしょう。もちろん、いつでも自分の力を呼び覚ます選択ができるわけではありませんが、それを意識し続けていることで、段々と変わっていくのです。このプロセスがエンパワーメントです。

 

力とは、自分と周りをエンパワーする力のことである

 

 

力とは一体なんでしょうか。人によってその概念は様々でしょう。私たちは、自分と周りの人たちをエンパワーできる力こそが力であると考えています。

 

エンパワーメントの反対はコントロールです。それは、どれほど周りを動かす力を持っているかによって測られます。例えば権威や財力、影響力、カリスマ性には、周りの人を動かす力があるでしょうが、周りの人をエンパワーすることはほとんどありません。何らかの結果を出すことが全てであり、自分自身を含めた、一人ひとりのエンパワーメントは意識されていないからです。

 

それが仮に人徳であったとしても、その人を慕ってついていく人がエンパワーしているかは別の問題です。誰かについていくだけでは依存を生むだけで、自分の中の力を生きることにつながっていかないからです。

 

もしある人が力を持っているのであれば、その周りにいる人はどんどん自らの力を呼び覚ましていきます。周りにいる人が自ら輝いていく。強くなっていく。それを生み出すものが本当の力です。周りにいる人たちが恐れを抱いたり、萎縮したり、惨めな思いをするような力は、力とは言えないのです。むしろそれは力の欠如なのです。

 

自分の力を生きようと思えば、他者との共創が必要となる

自然界において、自分だけで生きている命は一つもありません。全てがつながっています。例えば木が育つには、土の中の微生物の働きが大切な役割を果たしています。また、その微生物たちは、木が落とす葉を栄養分にしています。

 

私たちも同じで、自分自身を知るには、あるいは自分自身の可能性を発揮するには、他者の存在が必要となります。それがつながっているということなのです。

 

自分の内面と向き合うことを、自分だけ行うのは難しいものです。他者との関わりを通して、初めて見えてくるような、いろんな側面が自分の中にはあるからです。中には見たくないような自分もいるでしょう。しかし、そんな自分は嫌だからと、他者との関係を閉ざしてしまうのはもったいないことです。どのような自分の影を心の中に見つけたとしても、その奥には光が眠っているからです。影を見ないということは、その奥に眠っている力につながる可能性も失うのです。

 

また、自分自身の可能性を発揮する上でも、他者の存在が必要となります。人と人が出会うことで化学反応が起こるからです。自分とは違う考え方や感じ方、また違った物の見方に触れることで、新しい世界への扉が開かれます。他者との出会いがなければ気づかないアイデアを、私たちは自分の中にたくさん持っているのです。つまり、自分の可能性を引き出す鍵が、他者との関係の中に眠っているのです。

 

自分がエンパワーする時は、周りをもエンパワーしています。周りがエンパワーする時は、自分もエンパワーしているのです。どちらかだけがエンパワーするということはありません。どちらもエンパワーしているか、どちらもエンパワーしていないかのいずれかです。私たちはつながっているからです。

 

 

行動科学研究所ではこんなことを研究しています


 

 

【個人のエンパワーメント】

  • どうすれば人は変わることができるのだろうか
  • なぜ自分自身と向き合うことが大切なのか
  • 自分自身と向き合うにはどうすればいい
  • 本当にやりたいことはどうやって見つける
  • 問題から学ぶにはどうすればいいのだろうか
  • 幸せとは何だろうか
  • 人生の意味とはなんだろうか

 

【組織のエンパワーメント】

  • メンバーの力を引き出すリーダーシップとはどのようなものか
  • 全ての人が力を発揮している組織とはどのような組織だろうか
  • 自分らしくあるとはどういうこと
  • 思っていることを言える関係とはどういうこと
  • 組織が目指すべきものは何
  • 個人の成長と組織のパフォーマンスをどう両立させるか
  • これからの経営者の役割とは何か

 

エンパワーメントに興味がある方は、是非一度お問い合わせ下さい。

 

 

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また行動科学研究所では、個人や組織のエンパワーメントをサポートするための9つのプログラムを用意しております。エンパワーメントに興味を持ち、取り組んでみたいと思われる方は、次の3つのプログラムのいずれかから始められてはいかがでしょうか。

 

1. エンパワーメントベーシックコース

 

まずはエンパワーメントを学んでみたいという方は、オンライン開催されているこの講座がいいでしょう。

 

エンパワーメントベーシックコース

 

 

2. リーダーシップラボ

 

いい仕事がしたい。仕事を通してエンパワーしたい。エンパワーしたチームを実現したいという方には、リーダーシップラボがおすすめです。

 

リーダーシップラボ

 

 

3. PEP個人セッション

 

自分自身の力を発揮して、もっとクリエイティブに生きたいのであれば、時間をかけて深層対話に取り組んでいく個人セッションがおすすめです。

 

PEP個人セッション

 

岩田洋治

この記事を書いたのは:岩田洋治

1964年生まれ
1987年 北海道大学工学部卒
1989年 同大学修士課程修了
      同年外資系メーカーに入社
      国内および海外にて研究開発者として勤務
1998年 同社を退社、行動科学研究所に加わる
2019年 行動科学研究所所長に就任

PEP個人セッション、リーダーシップラボ、PEP企業研修などを通して、個人や組織のエンパワーメントをサポート。

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