本来のちからに気づく|受講者の声|エンパワーメントの実践は行動科学研究所

受講者の声

本来のちからに気づく

本来のちからに気づく 業績を伸ばし続ける、女性だけの健康体操教室FC店経営者に聞く

受講生:大辻 裕一さん (代表取締役)
インタビュアー:岩田 洋治

―大辻さんはPEPを2年半くらい受けていただいていますが、個人的な人生では何か変化を感じられていますか?

今までの自分は数字や売上を追いかける、それが全てと思っていたんですが、数字は結果であり、内面的な変化が生み出すものの大切さに気づくようになりました。数字を追い求める苦しさから解放されるようになりました。数字を追わなくなったわけではないんですけれども、追っていることにとらわれなくなったのかもしれないですね。ちゃんと結果もついてきているのですが、その結果を創っているスタッフの、また自分自身のこころの状態や成長に意識的になりました。仕事に対する捉え方がかわりました。それが一番大きな変化です。
以前は店舗を増やして売上をあげる、そのための方法論にこだわっていました。人の心とか、状態とか、個の成長などということは、言葉では言ってたけれど、具体的にはわかっていなかったんです。衝撃的だったのは、どんな国をつくりたいのか、という話になった時でした。「あなたがやりたいことは『国取り』ではないのか」と言われて、ああ確かにそうだと。「でも本当にしたいことは、『国創り』なのではないですか」と言われて、ハッと気づいたあの瞬間が大きな転換だったと思います。経営を「国づくり」だと考えたときには、そこにいる人たちにはどういう風になっていてほしいか、自分が大切にするものは何なのかを、自分と向き合いながら探っていかなければなりません。その中で自分の中から出てきたものが、社員との関わり方や、会社の理念につながってきました。とにかく出店、とにかく売上を上げる、そういうところから国づくりということに舵を切れた。価値観の転換でした。
なるほど。そういう大辻さんの価値観の転換にともなって、スタッフや職場の空気感も変わってきたのではないでしょうか?
だいぶ変わってきたと思います。昔の私はとても怖くて、みんなを萎縮させていました。言いたいことも言えない環境をつくっていました。でも自分自身が影を見たこと、そういう自分と向き合った中で、少しずつ待てるようになったというか、スタミナがついたというか、部下の成長を見守るという力がついてきたように思います。
部下に対して、正直に自分という人間を表現することができるようにもなりました。良いところも悪いところも伝えていこうと。自分が変わろうとしていることも伝え、「未熟なところも受け入れて、みなで一緒に成長していこう」と伝えました。だからみんな、「ああいいんや、社長も変わろうとしてはるんや」と感じたのではないでしょうか。そうやって少しずつみんなとの距離が縮まっていったように思います。
スタッフの方もPEPを受講しておられますが、その方々が具体的にこういう風に変わってきたなとか、そういうことはありますか?
受講してくれているスタッフの一人に女性店長がいるのですが、彼女は以前はとても心を閉ざしていました。常に自信がなくて、迷い続けている感じで。成長したいんだけれども素直になれない、自分の可能性を「私なんてダメだ」とか「無理だ」と言って閉ざしてしまう、そういうのがすごく強かった。それまでも、その子にはすごく色々な話をしてきていたので、「もうこれでわからへんかったらもう仕方ないな、辞めると言われても止められないな」と。

でもPEPを受講するかどうかを決める面談をした時、「私は変わりたい」と彼女が言って、意欲が言葉として出てきたので、受講してもらいました。

最初は何のことかさっぱりわからなかったようで、すぐには変わりませんでしたが、回数を重ねるごとに、自分の本当の良さ、本来の力に気づくことができた。現場でもどんどん変わってきてくれています。見違えるくらいに表情が明るくなって、あれだけ心を閉ざしていた子が、会社のことを考えはじめてくれている。劇的な変化です。

闇を見てそこを超えていくことで、これだけ人は変わるのか、本当にすごいものを見たなと思っています。彼女の変化によってもたらされる会社へのプラスというのは大きなものがあるなと感じています。

―今はグループ研修として、店長やサブリーダーの方々に受けていただいていますよね。そこにはどういう想いがあるのでしょうか?
まずは共通言語をつくりたいと思いました。組織の中で起こる問題の大半は、人のことが気になるとか、人と自分を比べてどうだとかで自信を無くしたりするようなことから生まれています。本来自分が持っている良いところや力を発揮できるところがたくさんあるのに、そういうことにとらわれて本来の力を生きていない子達がすごく多い。

まずは店長やサブリーダーから変わっていこうということで、研修を導入しました。将来的には、共通言語があるということだけじゃなくて、より根付くよう、もっと深く取り入れていきたいなと思っています。

―今日、来年のビジョンをお話している中で、「これはある種の賭けだ」と言っておられましたね。
PEPという取り組みは、自分の怒りや闇というものを見つめる、自分自身と向き合うということですよね。これは、私も経験しましたが、人によってはものすごく苦しい作業ですから、耐えられない子も出てくるだろうと。

でも超えていく中で本当の強さを手に入れていく。

誰がどんな反応をするかはわからないけど、みんなのためにチャレンジしてみようと思いました。そういう部分が「賭け」なんですね。

「とんでもない成長」というのを来年のビジョンに描かれています。
そうですね。ひとりひとりの力を引き出していくこと、それがとんでもない成長につながっていくと思っています。今まで積み重ねてきたものをもって、これからは突き抜けられるんじゃないかと期待しています。

ひとりひとりが、自分を見つめる力をつけていく。

うちの商売は人が人にサービスをして成立しているので、一人ひとりが影を越えて光を見ていくということができるようになることが、お客様とよりよい関わりができる、仲間同士でも理解が深まったり、助け合うことができたり、そういうことにつながってくると思っています。人に伝わるものが変わってくるということです。

そういうのが積み重なって、会社の業績にもなっていくと思っています。

(編集:岩田 夕紀)

各種お申し込みはこちらから